心理職に国家資格!「公認心理士法」成立。心理職の現状とこれからについて。

2015年9月9日の今日、「公認心理士法」が参院本会議で可決し、成立しました。

今まで「臨床心理士」という資格は国家資格ではありませんでしたが、この資格が発展的に「公認心理士」となる見込みです。

公認心理士法とは?

いままで公的な資格が存在しなかった「心理士」を公的に定めることで、国民の心の健康に寄与することを目的としたものです。

近年メンタルヘルス対策が重要視されてゆく中、心理職に一定の地位を与えることで、より効果的に心の健康の保持増進を行えるようにしよう、というのこの法律の狙いです。2017年に施行されます。

心理職の現状

現在臨床心理士は24,980人存在し、また学校心理士、臨床発達心理士など20程度の民間資格があります。

有資格者は医療機関や精神神経科、心療内科、福祉施設の心理相談、企業のメンタルヘルス担当、家庭裁判所の調査官など、様々な領域に幅広く存在します。

また、スクールカウンセラーは基本的には臨床心理士であり、約2万程度の公立の小中学校に設置されているいます。

ただし臨床心理士などカウンセラーの就職状況やその地位は決して高いものとはいえません。日本臨床心理士会が2011年に行った調査では、臨床心理士の45%が非常勤で働いています。

これが国家資格になれば、雇用の安定につながるとして、日本臨床心理士協会等、関連団体が国家資格の成立を求めており、それが結実することとなりました。

また、文科省の諮問機関「中央教育審議会」は約3万項の前項小中学校に増やす方針であるため、「公認心理士」が活躍する場も順次拡大してゆくものと考えられます。

主治医の指示が必要になる!?

第四十二条 公認心理師は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない。

2 公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。

(臨床心理士法より)

これまでは、医療行為のセカンド・オピニオン的な位置づけとしてカウンセラー(心理士)が存在していたため、別系統で治療を進めることが出来ましたが、このことにより、主治医がいる場合は、その指導のもとでカウンセリングを行う必要が出てきます。

これは心理士の自由な活動を制限することになり、かつ、クライアントの秘密保持の観点からも問題が生じると考えられます。この条文が適用されてしまっては、公認心理士の意味がないのではないかと考えられます。

附帯決議にも第24条への言及が。

なお、衆議院文部科学委員会は9月2日に、今回の法案に関して以下の附帯決議をしています。

政府は、公認心理師法の施行及び心理専門職の活用の促進に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。

一 臨床心理士をはじめとする既存の心理専門職及びそれらの資格の関係者がこれまで培ってきた社会的な信用と実績を尊重し、心理に関する支援を要する者等に不安や混乱を生じさせないように配慮すること。

二 公認心理師が臨床心理学をはじめとする専門的な知識・技術を有した資格となるよう、公認心理師試験の受験資格を得るために必要な大学及び大学院における履修科目や試験の内容を定めること。

三 公認心理師法の施行については、文部科学省及び厚生労働省は、互いに連携し、十分協議した上で進めること。また、文部科学省及び厚生労働省を除く各省庁は、同法の施行に関し必要な協力を行うこと。

四 受験資格については、同法第七条第一号の大学卒業及び大学院課程修了者を基本とし、同条第二号及び第三号の受験資格は、第一号の者と同等以上の知識・経験を有する者に与えることとなるよう、第二号の省令を定めるとともに、第三号の認定を行うこと。

五 公認心理師が業務を行うに当たり、心理に関する支援を要する者に主治医がある場合に、その指示を受ける義務を規定する同法第四十二条第二項の運用については、公認心理師の専門性や自立性を損なうことのないよう省令等を定めることにより運用基準を明らかにし、公認心理師の業務が円滑に行われるよう配慮すること。

六 同法附則第五条の規定による施行後五年を経過した場合における検討を行うに当たっては、保健医療、福祉、教育等を提供する者その他の関係者との連携等の在り方についても検討を加えること。

こちらより一部抜粋)

やはり法第42条に関しての懸念があり、公認心理士の業務の専門性・独自性を遵守したルールづくりを求めています。

民間カウンセラー業界はどうなってしまうのか

公認心理士が採用されたということで、民間資格に対する価値が著しく低減してしまう可能性があります。

条文を読むと、受験資格は臨床心理士のそれとほぼ同じであるため、民間の心理カウンセラー養成スクールでの受講および勤務経験では、公認心理士の受験は厳しいものと考えられます。

(受験資格)

第七条 試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。

一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学(短期大学を除く。以下同じ。)において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業し、かつ、同法に基づく大学院において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めてその課程を修了した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者

二 学校教育法に基づく大学において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者であって、文部科学省令・厚生労働省令で定める施設において文部科学省令・厚生労働省令で定める期間以上第二条第一号から第三号までに掲げる行為の業務に従事したもの

三 文部科学大臣及び厚生労働大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定した者

(臨床心理士法より)

個人的には、民間資格でも怪しいものもありますし、高額な受講料ばかり取るような宗教的な団体もありますので、そういった団体の淘汰としても良いかもしれません。

ただし、上記の法第42条の運用において、公認心理士の秘密保持などが危うくなる可能性がある場合、その間隙を担うものとして、民間カウンセラーも存続の道があるように思います。私ども、催眠療法士などはまだまだ活動余地はありますね。

まとめ

  • 公認心理士法が可決され、2017年に施行。
  • 公的資格になり心理士の地位が高まる。
  • ただし第42条の制約が議論を呼ぶところ。

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