刑法犯件数が戦後最小を記録!一方で検挙率は低迷。【2016/1/15】

2016年1月14日、警察庁は昨年1年間に全国の警察が認知した刑法犯は109万9048件(前年比-9.3%)と発表しました。
刑法犯件数は2002年から13年連続で減少しており、2015年の件数は戦後最少となります。

戦後の刑法犯認知件数の推移

20160115085437出典:共同通信

1998年ごろから件数が急激に増えています。
これは、警察がストーカー被害などを事件として扱うようになったことが大きな要因のようです。
そして2002年に285万3739件まで増え、当時は「治安の危機的状況」と言われました。

犯罪件数が減少した理由

窃盗犯が大幅減

刑法犯のうちの約8割は窃盗犯です。
その窃盗犯がここ13年で66%減少しています。
自動車や二輪車などの防犯機能が強化されたことや、ピッキングを防止する鍵や強化ガラスが普及していることが窃盗犯減少につながっています。

街頭犯罪の減少

防犯カメラが普及したことや、地域の防犯活動の活発化により、街中での警戒の眼は密になっています。
そういった犯罪抑止の活動も効果的に働いており、ひったくり等の該当犯罪が減少しています。

警察官の増員

刑法犯件数が最も多かった2002年と比べると、全国の警察官は2万人増員されています。
警察官が増えたことでパトロールの頻度も増え、犯罪抑止力として効果的に働いています。

検挙率は低迷

刑法犯件数が減少する一方で、検挙率は低迷を続けています。

1980年代後半は60%前後を保っていた検挙率ですが、2015年は32.5%
2000年代に入ってからは20~30%代で推移しています。

検挙率が下がっている背景

知能犯の検挙率低下

増加傾向にある詐欺や横領などの知能犯の検挙率が低下しています。
特に近年の詐欺は、インターネットを介して実行されるため、犯人の所在がつかみにくいという特徴があります。
そのためなかなか犯人検挙に至らないようです。

捜査環境の変化

オートロックのマンションなどが増え、聞き込みによる住民の協力を得にくくなりました。

また、団塊の世代の捜査員が大量に退職したことで、捜査技能を継承できず、取り調べなどで摘発できる事件が減ったことも要因のようです。

治安は悪化?

2012年に内閣府が行った治安に関するアンケートでは、81.1%の人が「治安が悪くなったと思う」と回答しました。
刑法犯件数は減少傾向ですが、実際に肌で感じる治安である「体感治安」というのは良くなっていないようです。

編集者’s view

犯罪件数が減っているということは喜ばしいことです。
私が住んでいる地域でも2000年前後に比べると大幅に車上荒らしなどの件数は減っています。

警察内部では技能継承ができていないようですが、この部分は警察内部の努力次第で改善できることだと思います。
長年積み上げられてきた技能をきちんと次の世代に伝えることで検挙率の向上につなげてほしいです。

※本記事は、朝日放送の『おはよう朝日です』内の「岩本計介の朝トレ!キーワード」のコーナーに基づいた内容となっています。

参考になりましたら
いいね!お願いします


ニュース

【南北連絡チャンネル】23ヶ月ぶり、韓国と北朝鮮との間に再開された連絡チャンネルとは?
約2年ぶりに、北朝鮮と韓国との間の連絡チャンネルが再開されました。 これは電話がとFAXが使えることを確認し、南北の担当者が互いに名前を呼び合うものです。 このやり取りがあったのが南北境界線のある板門店です。 【速報】北朝鮮軍兵士1人 韓国に亡命、銃撃なし 連絡チャンネルとは? 「連絡チャンネル」とは、韓国と北朝鮮が軍事的緊張が高まった時に、双方が落とし所を探る手段です。 これは合計42回行われており、板門店には33回線が接続されているということです。 しかしこの回線は2016年2月に通信遮断されました。そのきっかけは、北朝鮮のミサイル実験にあります。 北朝鮮の度重なるミサイル開発の結果、南北経済協力事業である、開城(ケソン)工業団地の稼働停止に至ったのです。 この経済協力事業は、韓国にとっては労働力の取得、北朝鮮にとっても雇用の確保など、両国にとってメリットが大きい事業であったため、経済的損失はどちらにも大きく、この事業が断念されたことは両国にとって大きなわだかまりとなりました。 元はといえば、北朝鮮の独断専行により中止にな

続きを読む

【景気拡大】53ケ月連続の記録更新でバブル超え ― 内閣府「景気動向指数研究会」その概要と真偽・反応は?
【司法妨害】「コミー・メモ」に揺らぐトランプ政権、その経緯と概要、政権交代の可能性もあり?
【被爆事故】茨城の原子力施設の内部被曝事故、概要とJCOとの違い等について
【獣医師不足?】日本には獣医師が足りている?足りていない? その現状について。

「ニュースに関する知識」記事をもっと見る

ニュースに関する知識 人気記事

鬼怒川氾濫に耐えたヘーベルハウス、津波に耐えた一条工務店の家。災害に強い家の特徴とは。
【裁判員制度】裁判員6割超が辞退、辞退者が増えている理由と課題について。辞退はほぼ任意で可能? 
桜や桃を食い尽くすクビアカツヤカミキリとは?生態、発見場所や対策方法についてまとめてみました。
「成年」の意味、成人年齢引き下げにおける様々な問題点とは?【2016/1/11】
なぜ今?酒類業界が定めるアルコール飲料CMの自主規制について。
【完全網羅】47都道府県(41県)の全県の県民手帳の特徴・購入先について。キャラ付の手帳や、発行していない県なども全部分かる一覧表付き!
【アウトバウンド】若者の海外旅行者数が減少?「高い」「めんどくさい」「恐い」一方留学者数は増加?
ホームドア設置はなぜ進まない?転落事故数、普及率、進まない要因、その対策方法について。心にもバリアフリーを
安保法案の影で成立しなかった、民法改正案を始めとする重要な法案が意外と多い件。
「ノーベル」ノーベル賞とイグ・ノーベル賞の違いの解説。キスでアレルギー反応が抑えられる!?【2015/12/7】