スイッチウィッチ1~3巻(茂木清香)心の襞を鋭く突く衝撃作。(グロ注意)

茂木清香先生の「スイッチウィッチ」(3巻)を紹介します。
茂木先生の作品は、著しく人を選びますので、その点にはご注意ください。

スイッチウィッチ 1 (ヤングチャンピオン・コミックス)
秋田書店 (2014-08-20)
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他人よりも遅い成長を気にしつつも、平穏な毎日を送る少女の姫川若葉が主人公。
初潮を迎えたある日、若葉は幼馴染みである貴也に告白をされる。
今まで気が付かなかった彼の想いに戸惑いつつも貴也の気持ちに答えようとしたその時、突然の警報とともに、謎の放送が響き渡る。

貴也の死から崩れてゆく日常、始まる悲劇の連鎖。果たして少女の運命は―

感想

可愛い絵柄でありながら、非常に血生臭くグロテスクな漫画です。

突然幼馴染みの男の子は目の前でウサギの着ぐるみに鉈で真っ二つにされるわ、家に帰ったら母親に殺されかけるわ、逆に母親を殺してしまうわ。

親友だと思っていた淀川ミホからも黒い感情をぶつけられて、挙句にはミホちゃんも最後には謎の連中に目の前で脊髄引き抜かれて殺されるわ。
原因はつぼみ法という、非常に奇妙な法律の施行であり、物語世界上の法律範囲内に収まるものですが、あまりに常識を超越したシーンがわんさかと出てきます。

スイッチウィッチ003
こういった視覚的な気持ち悪さもさることながら、例えば淀川ミホを引き取った義理の両親の虐待の独白のように、想像させる気持ち悪さもあり、心底後味悪く残ります。

ただしかし、グロいだけ、という漫画ではないです。

若葉も相手の悪意に反応する棘で人殺しをしてしまうのですが、若葉はもちろん、ウサギの着ぐるみたちにしても、人殺しに対しての葛藤や背徳感がしっかり描かれている点は評価できます。

ショッキングなシーン描写ばかりに目がいってしまいがちになりますが、淡々と殺しを遂行しようとする人や、本当は子どもたちを守りたいと思う大人など、色々な人の様々な感情がまざまざと描写されています。

主人公である若葉にも
スイッチウィッチ001
このような決意や
スイッチウィッチ002
大人に対する怒りなど、克明に描写しています。

設定はまだ謎の部分が多いので、今のところ何ともいえませんが、展開そのものは説得力もあり、単にグロテスクな漫画というだけではありません。

生理などの第二次性徴や思春期特有の感情をしっかりと繰り込んでいるところ、また若葉や大人達の対応などからも、どことなくリアルさを感じる漫画であると思いました。

「読ませる力」を感じます。

「pupa」をご存知ですか?

「pupa」という作品をご存知でしょうか?
今作の作者である茂木清香先生のデビュー作であり、兄妹愛とカニバリズムを描いた問題作でもあります。

80万部というカルト的なヒットをしたこの作品でありますが、2014年1月にはアニメ化までされました。
が、倫理的な問題からかは不明ですが、通常の枠は取れなかったようで5分という短編アニメとなりました。

当然ストーリー漫画が原作である以上、この長さでは満足な展開を演じられるわけもなく物議を醸したのか、アニメの公式サイトは抹殺され、最終巻である5巻も2014年2月と最近の発売でありながら、しばらく後に全巻絶版という憂き目にあったようです。

しかしこのたび、2015年9月から3か月連続して新装版として発売されることが決定しています(1巻は現時点で発売済み)。

「究極の兄弟愛」と銘打たれてることが多い作品ですが、個人的には作品の根幹は兄妹愛と言うよりも(クズ親父も含めて)家族愛だったような気がしました。

3巻まで購入しましたら改めて紹介したいと思います。

pupa 新装版 1 (ヤングチャンピオン・コミックス)
秋田書店 (2015-09-10)
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まとめ

  • 怖いウサギさんが見たい人に
  • 二次性徴など、思春期のリアルを垣間見たい人に
  • 正気的なグロ(ガチグロではない)が大好きな人に

おすすめかと思います。

茂木清香先生はこの他にも「青の母」(3巻)や「眠れる森のカロン」(11月6か日発売予定)と3本同時に執筆されています。
どれもこれも人を選ぶ作品ですが、なんとなく気になった方はどうぞ。

俺からは以上です。

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