加計学園で獣医学部を新設する問題に関連し、獣医師の数が足りているか否かも注目されています。
今回はその現状について簡潔に考察してみたいと思います。
(画像出典:「おはよう朝日です」ABC系列)
獣医師は増えている
1998年には29,643人であった獣医師数ですが、2014年には39,098人に増加しています。
※獣医学部は増加せず
ただし注目したいのが勤務形態の内訳であり、以下の円グラフのようになっています。
比較的均一に分散しているようですが、ペットなどを扱う小動物診療が約4割を占め、1998年から約1.8倍になっています。
公務員獣医師の不足
つまり小動物診療の現場においては、「獣医師は足りている」と主張することはできますが、不足傾向にある分野があります。
その最たるものが、獣医師の公務員枠、公務員獣医師です。
自治体職員として家畜の防疫対策や食肉等の衛生検査を行う重要な役割を果たしており、近年では、鳥インフルエンザや口蹄疫問題に対処することも多く、その重要性が高まっています。
しかし、公務員獣医師の定員を定める自治体の20都道県のうち、12道県で定員に満たない状況にあります。(2012年)
また、最近の報道では、募集定員を下回る自治体も多いことがわかっており、公務員獣医師不足問題は深刻化傾向にあります。
【不足都道府県】
北海道、青森県、岩手県、秋田県、山形県、宮城県、福島県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、長野県、山梨県、静岡県、石川県、福井県、岐阜県、滋賀県、三重県、大阪府、和歌山県、鳥取県、岡山県、島根県、香川県、徳島県、高知県、愛媛県、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、鹿児島県
実はペットも減少傾向
猫の日などが話題になったりと、ペットが増加傾向に在るかと思いきや、減少傾向にあるのが現実です。
ペットフード協会調べのグラフは以下の通りです。
犬は一方的な減少、また猫までもが2015年を境に減少傾向という状況になっています。
「◯◯離れ」のうち「ペット離れ」も深刻となっているようです。
したがってペットの獣医師は、いずれ余ってしまうという命運が待ち構えています。
そのため既存団体は、これ以上獣医師が増えると働き口の問題に発展するのでは?という懸念があるようです。
北海道大学の喜田教授は、「獣医師の数が足りている現状では、むしろ既存の獣医学部の統合再編で教育の中身を充実させるべき」と話しており、現状の獣医師の数を増加させるのではなく、働き方の内訳を変動させるべきであるというのが一つの考えです。
結論:見方によって足りているとも不足ともとれる
公務員獣医師は不足気味ですが、ペット獣医師は余り気味(になってくる)という現状であり、どちらの見方も誤りとは言い切れません。
公務員獣医師はやはり検疫や、場合によって殺処分等を担当する、非常に重責を担う仕事の種類であるため、同じ獣医師であっても公務員獣医師を目指す方も少ないのはやむを得ないことであるとも考えられます。
ただし、絶対数を増加させることが結果として公務員獣医師の増加につながることなので、獣医学部を新設するということは決して愚策とも言い切れないでしょう。
いずれにしても、特に近年の鳥インフルエンザや口蹄疫対策など、食の根本的安全に直接関係することがらであるため、何らかの方法で公的な獣医師の数を増やすような仕組みづくりは必要であるかと思います。
【革新】奇跡の脳機能改善教材が復活
新聞各紙・メディアで紹介され、老若男女問わず様々な方に注目されている、
知力革命教材、レボリューシナプス。
作者の奥様の、末期くも膜下出血からの奇跡の回復(エピソードはこちらから)のエッセンスが詰まった教材であり、ご高齢の方だけでなく、受験勉強をされる学生などにも圧倒的な支持を得ています。
販売ページや奥様の体験談などは以下から御覧ください。