【漫画】鳴見なる先生『渡くんの××が崩壊寸前』(第1~3巻)初回特典・感想 人の心の闇を覗いてみよう!

鳴見なる先生の『渡くんの××が崩壊寸前』(第1~3巻)の感想です。
鳴見なる先生と言えば、『ラーメン大好き小泉さん』(現在は第4巻まで)も有名ですね。
第1巻の記事はこちらになります。

また今作の第1巻には角川書店版講談社版があります。
第1巻発売以降音沙汰梨の状態が続きましたが、諸事情により角川書店から講談社へと移籍したとのことです。
内容は同じで細部に差異がある程度(その比較の記事はこちら)ですが、恐らく角川書店版では売り上げにカウントされない(人気に反映されない)ので、購入されるなら講談社版の方が良いと思います。

渡くんの××が崩壊寸前(3) (ヤングマガジンコミックス)
鳴見なる
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初回特典

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ブロマイドでした(ゲーマーズ購入特典)

作品紹介

今までの日常が大きく変わってしまうお泊まり旅行編、開始!

同級生のマドンナ的存在の石原さんと仲良くなりたい高校生の渡直人は、友人の計らいでクラスメイトたちとともに旅行で海に行くことになった。
旅館に到着直後、直人は石原さんと2人きりで買い物に出かけたりして、いい雰囲気になっていく。
しかし石原さんの元カレと噂される男が現れ、事態が一変!

直人と石原さん、そして紗月の関係が少しずつ崩れ始める。

Amazonより引用

キャラ紹介

第3巻まででメインとなっているキャラは今のところ4人です。

渡直人<わたりなと>

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かなりのシスコン気味な兄である彼が主人公です。
女性に優しい性格をしている為に、女性に振り回されることになり、それによって彼の日常が崩壊していきます。

渡鈴白<わたりすずしろ>

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直人の妹で、こちらはかなりブラコンであります。
基本的には鈴白ではなく、鈴<すず>と呼ばれています。
小学校4年生ですが、兄の女性関係にはかなり目ざといです。

館花沙月<たちばなさつき>

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6年ぶりに再会した、渡兄妹の幼馴染み。
転校してきた直人の後に、直人の隣のクラスに転校して再会したことから物語がはじまります。
かつて直人らの畑を荒らした為、直人にとっては再会したくなかった幼馴染みです。

石原紫<いしはらゆかり>

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直人が憧れている美少女で巨乳な同級生。
誰にでも優しいけど、引っ込み思案で変に空気を読む癖があり、自分の思っていることをはっきりと伝えられない性格をしています。
そんな外見や性格から、男性からの注目を集めやすい為に男性が苦手なのですが、妹を中心に考えている(性的な見方をしない)直人に対してだけは特別な感情を持っています。

感想

心の闇(気に入った点)

心情的に不安にさせる話の運び方は第3巻でも健在です。
登場するキャラの言動に裏が透けて見えて、心の闇を抱えている描写は秀逸。

幼い頃に畑を荒らした紗月はもとより、一見マトモそうに見えている紫もかなり怖い

優しい性格や外見から好奇の目にさらされてしまい、男性への願望を拗らせてしまっている紫。
そんな中、転校直前にたまたま紫の着替えを除いてしまったのに、全く劣情を抱かなかった直人が気になったという。
そんな原因から「異性に対して一切の煩悩を抱かない男性」にされていた直人。
直人本人からすれば、その時は妹の鈴がいなくなってそれどころではなかった、という話なのですが。

それで直人目の前にして

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こんなこと言っちゃう訳ですよ。
最後には「渡くんは清らかで」「渡くんだけは他の男の子と違うから」と。
さすがにちょっと怖いよ紫さん………。

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そんなこと言われたら、直人もこんな顔しちゃいますよ。
憧れもあるけど、好きな相手には劣情ぐらい抱くだろうって。

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劣情抱くなってのが無理な話

紫の性格がここまで拗れたのは、かつて中学校時代にイケメンな先輩と付き合っていたことが原因の一つのようです。
まぁ付き合っていたつもりになっていたのは先輩の方だけで、紫はそんなつもりさらさらなかったわけですが。
ただそりゃ中一の時に突然結婚の話持ちだしてきたり、告白された時に断ったのに周りに付き合ってると吹聴されたりすりゃ、男性が苦手レベルから男性恐怖症に変わるって話ですよね。

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先輩(右)も大概な闇を抱えていますね

流されやすく断りにくい性格をしていることを良いことにグイグイと迫ってくる男性は恐怖でしょうね。
しかもイケメンで周りからの評価も高く、紫の好みの男性になろうとしている努力もしている。
ただ一つ大きな欠点だったのは、自己評価が高いがゆえに相手に対しての押し付けが強いことだけでしょうね。
結婚だのなんだの言わずに相手の話をしっかり聞けば、彼の人生も変わったことでしょう。
このイケメン先輩もまた病んだ現代社会における被害者と呼べるのではないでしょうか。

主人公の表情(気に入った点)

女性に振り回される直人も、この作品の見どころの一つ。

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突然布団にもぐり込んでくる幼馴染みの紗月

女性キャラの大胆な行動や発言にタジタジな直人。
すれ違いや勘違いから誤解が生じてしまった、その時の直人の顔芸が面白い。

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放心状態になったり、名状しがたい状態になったり。
良い表情しますね。

幼馴染み

再会したくなかったとは言え、直人・鈴白兄妹と沙月は幼馴染みです。

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傍目には直人を惑わす不思議系なキャラですが、それは自然体で行っているのか、わざとそうしているのか、未だに判断がつきません。
6年前に畑を荒らしたのにも深いわけがありそう。

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たびたび過去の話が出るのはグッドです。
まさに幼馴染み。

気に入った一コマ

紫が元カレ(他称)とひと悶着あった後、靴が壊れてしまった時に、直人が紫を背負おうと背中を差し出した時の

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この一コマ。
いいですね、凄く破壊力ありますね。
この「重い」がどういう意味なのか、想像するだけでゾクゾクします。

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直人もイケメンな返しをしますが、これは色んな意味で危険な気がします。

結びに

経緯は色々とあったのでしょうが、なによりも続刊を諦めていただけに第2巻以降が出ている現状が非常に有り難く、そして期待を裏切らない内容でした。
欠点というのか残念だったなと思うことと言えば、角川書店版にはカバー裏に描き下ろしがあったのですが、講談社版には3冊ともカバー裏に描き下ろしがないことですね。

人の心の闇を扱っているのですが、あまり重くなり過ぎず、それでいて軽くもない、非常にバランスがとれています。
コマ割りも、見開きの大ゴマが多くあり、視的にも賑やか。
どういう心情から紗月が畑を荒らしたのか、今はどう考えているのか。
紫と直人はこれからどういう関係になっていくのか。

ちなみに、両親がいない為に渡兄妹は親戚をたらい回しにされおり、現状では叔母の家に厄介になっています。
この叔母もどっかぶっ飛んでいるのですが、第1巻以降大きな見せ場がなく。

そられを含めて第4巻以降にも期待が高まります。

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カッコいい直人の姿に充てられてしまい、ヤンデレ気味になってしまった紫からも目が離せない

俺からは以上です。

A子
この記事だとちょっと怖い子みたいに言われているけど、紫ちゃんは第2巻で風邪ひいた直人くんに赤黒くて血生臭い薬膳粥食べさせる良い子なのよ?
B子
赤黒くて………?
C子
血生臭い………?
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これ以降は鳴見なる先生の他の作品の第1巻です

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