鈴木小波先生の『ヒダルとヒルダ』(全1巻)の感想です。
鈴木小波先生といえば代表作に『ホクサイと飯さえあれば』(現在7巻まで)と『燐寸少女』(現在6巻まで)があり、他にもいろいろと描かれています。
作品紹介
人を食べないと死んでしまうタタリ神・ヒダル神にとり憑かれてしまった就活女子の蛭田さん。
人間の代わりに日本各地の様々な美味しい食べ物を食べさせることに…腹ペコ神様とお憑かれ女子のほんわかグルメ旅!
就活が上手くいかない女子の蛭田さんと、その蛭田さんにとり憑いているいるタタリ神のヒダル神のグルメなお話です。
感想
就活女子漫画
今作は、作者である鈴木小波先生の代表作の『ホクサイと飯さえあれば』(現在第7巻まで)と同じくグルメ漫画にカテゴライズされる作品かと思います。
その中で『ホクサイと飯さえあれば』との大きな違いとしては、今作の主人公の蛭田ちゃんは絶賛就活浪人中の無職。
ヒダル神の為に日本の様々な美味しい食べ物を食べる為に日本各地を旅しつつ、蛭田ちゃん自身も自分探しの旅をしています。
最初は無職なのですが、途中で派遣社員(さらには正社員へ一歩手前まで行く)にはなります。
就職活動で疲れた女子を主人公に据え、異形の者の友達の願いをかなえる為に、日本各地の方々を旅する。
その過程で、ともに成長してく姿が描かれています。
今まで周りに合わせて流れて生きてきたのに、この日本では唐突に訪れてくる就職活動。
グルメ漫画の中に、就職活動で悩んでいる人たちにも共感を得られるところを入れている作品となっています。
グルメな旅漫画
ヒダル神の為に、無職や派遣社員なのに日本各地を旅させられる蛭田ちゃん。
一番最初は食べられてもいいと言いながらも、途中ではなんだかんだ言いながらも楽しくなり、最後には二人はなくてはならない存在になるところがいいですね。
文句言いながらも言いながらも、蛭田ちゃん自身楽しんでそうで、毎回毎回ほっこりさせてくれます。
『ホクサイと飯さえあれば』と違い、基本的には自炊はしない食べ歩きな漫画ですが、最後の方でちょっと猟奇的な、というのかヤンデレ的な料理を作ります。
あと確かに日本各地ではあるのですが、東は東京、西は島根とある意味で現実的な移動距離に。
結びに
鈴木小波先生の得意なところを集めた作品かなって思える今作は、全1巻となっています。
今まで流れて生きてきて、初めて立ち止まって、知らないことの多さに気付く展開は非常に好きです。
歩いているときにちょっとだけ立ち止まったら、意外と全く違う景色が見えてくることって確かにありますよね。
まだまだ始まったばかりの人生に少し疲れた女子の蛭田ちゃんと、ヒダル神のお話でした。
俺からは以上です。
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