【漫画】多田乃伸明先生『鬼の又鬼のアモ』(第1巻)感想~濃厚な和風テイストのするファンタジー作品~

多田乃伸明先生の『鬼の又鬼のアモ』(第1巻)の感想です。
多田乃伸明先生は今作以外にも『70億の針』や『エスニシティ ゼロワン』があります。

鬼の又鬼のアモ(1) (ヤンマガKCスペシャル)
多田乃 伸明
講談社 (2018-09-06)

作品紹介

山神の嫉妬を買うという理由で、女性の入山が認められていなかった時代―――。
少女のアモは、幼なじみで優秀なマタギのマンザとともに、密かに山に行って獣を狩っていた。
ある日、2人が山でシシ(熊)を追っていると、マンザが巨大なサンショウウオの化け物に食われてしまう。
その背後には好色な山神の陰謀が‥‥!?
『70億の針』の多田乃伸明が圧倒的筆致で描く壮大な歴史ファンタジー、開幕!!

気まぐれな神様によって裂かれた幼馴染み二人の作品です。


神様によって引き裂かれたマンザとアモの物語

感想

非常に濃い和風ファンタジー

まず、和風テイストのするファンタジー作品が好きな人にはおススメな作品です。
古い日本的な掟のある山村から物語が始まって、神様の気まぐれによって男女の幼馴染みの仲が切り裂かれたことから一気に物語が始まります。


気まぐれな神様がエラいことをしてくれる

幼馴染みのマンザ(少年)を神に奪われて、それを奪い返しに行くアモ(少女)が基本的な話の主軸となっています。
構成として神側(山神様や神の使い等)と人(とは言っても基本的にはアモ一人、もしくはマンザが若干助けに入る程度)の戦いが描かれています。

神様相手の戦いとは言うものの、結構ガンガン倒します。
まぁガンガンと言っても、今のところ序盤のボス的な存在の2体だけですが(実質的に1体は倒していません)。
それを相手に一応苦戦はするのですが、終わってみると結構あっけなく倒された感じがするような………?


ピンチにはなるもののアモ自体がメチャクチャ強いんですよね

まだ語られていない部分ではあるのですが、アモがそもそも最初から超人的な力を持っているので、それのせいで倒し方があっけなく感じたのかもしれません。
またアモもマンザも非常に気丈であり、ここは良し悪しではありますが、全体的に劣勢な感じがしないところがありますね。

将来の暗さ

とはいうものの、将来への明るさってのは全く見えない作品です。
神様に盾突いた人は人ではなくなる。
そういう掟のある故郷の山村を追い出されたので、仮にアモとマンザが再会できたとしてもハッピーエンド、というわけにはいかないところもあります。

世界観も、人社会とそれ以外との境界が曖昧な、古い日本を想定している設定があり、おとぎ話の闇の部分を見ている生々しさを感じます。

結びに

いわゆる「昔々の日本」を濃いタッチで描かれており、和風テイスト豊かな作品が好きな人には非常に好まれると思います。
また仲を引き裂かれた男女の幼馴染み、というのも、なかなかにいい味を出しています。

オチとしては基本を忠実に考えるならアモとマンザの再会エンドでしょうが、全く読めない雰囲気もあります。
第2巻の発売予定が来年(2019年)の秋とかなり先なのですが、今から待ち遠しい作品となっています。


アモの物語は始まったばかり

俺からは以上です。

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