【漫画】一二三先生『四十七大戦』(第1巻)感想 異彩を放つシュール性

一二三先生の『四十七大戦』(第1巻)の感想です。
Now playing』(全4巻)に続く作品です。

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作品紹介

次の首都は、鳥取県。

極東の島国・日本の最果ての地、魔境「鳥取」は人口の減少により崩壊の危機に直面する消滅可能性都市であった。
そんな辺境の地・鳥取が日本の次の首都になるという奇跡…、それは””首都争奪戦””によってなしえたのだ…。
47都道府県の神が次の「首都」を争う都道府県擬人化バトル、開幕!

Amazonより引用

擬人化、と言っていますが主人公らは一応神様のくくりになっているようです。


こちらは島根さん

彼らが戦って人口を奪い合って、最終的には首都を決める、というのが本作。

感想

真面目さの中のシュールさ(気に入った点)

過疎化という真面目なテーマを取り上げている本作。


「過疎化す」と書いて「ころす」読む
ええんやろか

人が全くいなくなれば確かに都道府県としては役目が終わってしまいますからね。
そんな真面目な中にも


大真面目に地元の特産物をネタにした武器で戦う
ええんやろか…

シュールさが滲み出ています。

イケメン揃い(気に入った点)

キャラの言動などの内面的な要素で差別化を図っているものの、見た目という外見的には特色を出していないのは特徴。

今のところ、一回でも出番のある都道府県は主人公の「鳥取」と隣県の「島根」。
そして「山口」「岡山」「広島」と中国地方全県、そして第1巻のラスト出てきた「大阪」と、合計6府県が出ています。

キャラの描き分けは出来ているので誰が誰なのかわからない、ということはないのですが見た目だけで「〇〇県」とは判断できない外見となっています。

もしかしたら私が知らないだけで、服装などに何かモチーフがあるのかも知れませんがパッと見ではわかりません。

ただ見た目で「うわっ、きつ………」とはならないのは、良くdisられることが多い道府県に住まれている方には、ある意味では優しい作りになっているかなって思います。


現状、唯一のショタキャラな山口(半ズボンなのがgood)

私はこの中では、強気ショタである山口が一番好みです。
優男系のキャラが多い現状では異彩を放っているキャラでとても良い。

一応神様というくくりなので性別は無いのかも知れませんが、今で出番のあるキャラは多分全員男かな?

既存作品と一線を画すことが出来るか

恐らく世界で一番色々なものを擬人化しているHENTAI国家日本。
もちろん都道府県もその対象であり、過去には青色イリコ先生の『ジャポニズム47』や佐保先生の『47都道府県擬人化バトル よとしち!』、そして堂高しげる先生の『もえちり!』など。
決して少なくはない数の作品で擬人化や萌え化されています。

四十七都道府県を扱った作品の中で、本作が際立っていた印象があった点は、一対一の対決形式にしているところ。
他の作品では、まず47人を出してきてそれぞれの都道府県にスポットを当てていく、という展開が多かったのですが、この方法だとどうしても話を進めていくうちに出番に偏りが出てきてしまいます。
濃いネタを多く持っている県や人口の多い県が演出の都合上どうしても優遇されてしまい、結局リアルに地方民が味わっている「疎外感」が漫画でも感じてしまうことが多くありました。

井田ヒロト先生の『お前はまだグンマを知らない』などのように県が単体でネタになる作品なら問題にならないのでしょうが。

本作は(補助として他の県を援助につけることが出来ますが)基本的に一対一の対決である為に、戦闘にさえ入ってしまえば、少なくともその戦闘が続く限り様々なローカルネタが出せる。

もちろん登場しないことには話にならないのですが、作品には登場しているはずなのにネタにして貰えない、ということでヤキモキすることがないのは他の既存の作品にはない強み。

今はまだまだ登場している府県が少ないですが、今後増えてきたときにどういう風に描写するか。
その描写の仕方次第では他の類似作品とは一線を画す作品になるかと思います。

まとめ

自虐ネタもそこそこで、相手のこともそこまで馬鹿にしない、良い按配で仕上がっていると思います(やり過ぎるのは良くないですからね)。
誰でも知っているネタから、ちょっと分かり難い(当該地方なら分かるのかな?って雰囲気)ネタも幅広く扱っており、読んでいて楽しい漫画であります。

第1巻では中国地方が出そろい、第2巻では大阪(第1巻のラストで登場)が出てくるようで(あれ?兵庫県は?)、次の舞台は関西(近畿)になるのかと思われます。
今後ともこの絶妙なバランスを保ってくれることを期待しております。


主人公らしいカッコいい台詞

あと、作品冒頭でネタにされていた鳥取を隣県の島根とごっちゃにして「取」と書くのはよくあるのか分かりませんが、よく「取鳥」とは書いていた気がします。
いやだって「とっとり」って読み方なら「鳥取」よりも「取鳥」でしょ。

小学生の時に「取」と「鳥」の順番を間違いまくったからこそ正しい順番を覚えたことを思い出した、そんな今日この頃です。

俺からは以上です。

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